─ ポーズが上手ですね。
前回は全員でのカットを中心に撮影して、まだ真価を知らなかったようです。
もうカメラは慣れたでしょう?
そうですか?
一緒にいる人が楽にしていれば、僕も楽にできるところはありますが…。
僕、元々写真を撮るのが苦手なんです。
僕がしている仕事の中で、かなり大変なほうに入ります。
─ では、映像は写真より楽ですか?
あ、それはもっと難しいです。
泣きっ面に蜂です。ハハ。
─ Instagramで気になる質問がきたんですが、携帯に補正アプリがないのではないかという疑惑が…。
はい、ありません。
セルカをあまり撮るほうでもないし、なんというかただ僕の思うままに生きればいいでしょう。ハハ。
もうちょっと良いものが撮れたとして、その写真を持って何をするんでしょう。
─ その違いが、本人にはあまり重要じゃないんですね。
そうです。
セルカはただの自己満足なので。
誰かに見せるために撮る方もいると思いますが、僕は別にそういう状況がありません。
携帯の画面もすごく単純です。
ほら、見てください。
─ あれ、メイン画面も埋まってないんですか?
そうですね。
3つも空いてますね。ハハ。
─ 最近<太陽の末裔>はリアルタイムで観ていますか?
はい。
毎週、家に帰って母と一緒に見ています。
わけもなく1人でひやひやするよりは、むしろ僕を慰めてくれる誰かと一緒に見るほうが良いです。
─ 感想はどうですか?
本当に面白くて、視聴者の立場として翌週を待ちながら見ています。
ですが、同時にすごく不思議な気分になりました。
楽しく観ていたら、ちょっと憂鬱だった当時の思いも出てきたり、‘あぁ、あそこはあんな風に出てくるんだ。’とか。
僕は編集されたものを見たことがないんです。
自分が撮影した分もモニターせずに、本当に放送で初めて見る感じです。
─ 6話で、嗚咽していたシーンが、その回の瞬間最高視聴率を記録したそうですね。
僕もその話を聞いて本当に驚きました。
─ 撮影をするとき、とても疲れたかと思います。
あんなに感情を爆発させるシーンなので。
アングルを変えて、そのシーンを2時間か3時間ぐらいかけて撮るんですが、本当にずっとボロボロと泣いてました。
僕の上半身ショットはもちろん、他の俳優さんたちの上半身ショットを撮るとき、そして僕が歩いて撮るときまでボロボロと。
その撮影シーン全てに同じ感情が伝わらなきゃいけないと思ってずっと泣いていたので、終わったあとはワカメみたいにぐったりしてしまいました。
力も全部抜けて、頭もぼーっとしてました。
実は、普段よく泣くほうではないんです。
よく驚いたりもしないですし。
でも、役柄自体がとても小さなことですごく驚いたり、よく泣くキャラクターなので、没頭しようと努力しました。
当時は、この撮影が終わったら台本を見て、あの撮影が終わったら台本を見て、本当にそれの繰り返しでした。
─ 撮影当時、演技以外のお仕事もあったと思いますが、“オンオフ”の切り替えはどうでしたか?
いまだにうまくできないみたいです。
実は最近、すごく上がったり下がったりしています。
放送を見ると、当時のことを思い出して、また感情移入してしまって…。
本当に1日中何回も気分がいったりきたりします。
─ 仮想の存在ではありますが、イチフンとオニュの似たところ・違うところはなんですか?
うーむ。向こうのほうが少し上手くやってたり、子どもの親であったり、違うところがたくさんあります。
─ 似たところは?
実はよくわからないんです。
でも、チフンのような姿も僕の中にあるうちの1つなんじゃないかなと思います。
僕が普段いくら泣かないほうだとしても、そういう演技をしているところを見ると、またそういう面を持った人の可能性もあるんじゃないかな、と。
─ 作品に入るとき、監督や作家から気を付けてほしいと言われた点はありませんでしたか?
ディレクションはほとんど受けませんでした。
本当に時々、‘ここはちょっとこうしてみたらどうかな?’と言われるときもありましたが、大部分は‘やりたいように動いて。動線も自分で組んでみて。’という感じでした。
─余計に難しかったでしょうね。
現場の状況を頭の中で描いて1人で練習していっても、全然違うことが多くて、最初は落ち込むこともありました。
後になってこのままじゃダメだなと思って、主にどうすればセリフを自然に交わすことができるか、集中しながら練習しました。
動線はどちらにしろ現場に行けば合わせられるので。
その状況に1番ぴったりくる点を自分なりに考えながら練習していたと思います。
─ 視聴者の反応も探してみたりしましたか?
僕は本当にそういう点にこだわらない方なんですが、去年1年間の間で半年以上力を尽くした作品ということもあってか、今回だけはちょっと気を遣っています。
もちろん、まだ全部をお見せしたわけではないんですが。
─ 称賛がはるかに多かったようです。
もちろんそうではない一言が、本人にとっては1番つらいとは思いますが。
僕は昔からこうでした。
学生時代に試験を受けると、みんな仮採点するじゃないですか。
そういうとき僕はちんぷんかんぷんだったところは全部間違ってるだろうと思ってたんですが、後になって結果を見ると、平均以上だったような感じ?
その方が気持ちが楽でした。
─ 自分に対して厳しいように見えます。
本当にやりたいことのときはそういうタイプです。
例えば、人が多いところで歌の練習をするのも好きじゃありません。
─ 完璧じゃない状態だから?
そうですね。
でも時々は納得できなくても出ていかなきゃならないときがあるじゃないですか。
デビューしてから、そういう瞬間が1番悔しかったですね。
もうちょっと練習をしたらどうだったかなと。
なので今回も時間を割いて努力したんです。
1日に2時間ぐらいあれば、部屋の隅で台本ばかり見てました。
本当に少しの間でも台本が手元にないと不安でたまりませんでした。
─ 初めてドラマに入るとき思っていたことと、撮影を終えて放送を見た今はちょっと違うでしょう?
まず、台本が本当に鳥肌立つぐらい面白かったんです。
演技した僕も次の放送はいつかな、どうやってこんな話が書けるんだろうと思うほどです。
振り返ってみると、初めて入ったときはむしろ自信満々だった気がします。
始まってみてから、僕は俳優としては新人なので、末っ子のように行動していたら、みなさんが良くしてくださって、ちょっと楽な気持ちで撮影ができました。
特にソン・ヘギョさんと一緒のシーンが多かったんですが、だんだん仲良くなって、演技するときに配慮もたくさんしてくれました。
─ あ、劇中でコールサインとして出てきた‘宇宙美男’は昔からのニックネームだそうですね。
はい。作家さんが台本に書いたそうです。
僕もどうしてご存知なのかわかりません。聞いていないので。
─ 一緒に放送を見ているお母さんの反応はどうでしたか?
良かったです。
僕が嗚咽してるシーンでは一緒に泣いてました。
元々TVはあまり見ないほうで、いつも本ばかり読んでるような人なんですが、最近はずっとTVをつけています。
理由を聞いたら、再放送をたくさんしているので、その度に見ようとしてくれているようです。
お父さんも機会があればまたドラマをやってみなさいと言っています。ハハ。
─ 演技の面白さが少しわかりましたか?
やればやるほど、どんどん難しくなるようです。
でも僕が意図した姿で出ることができたので、すごく面白かったです。
何か練られたものじゃなくて、台本をどう解釈するかによって違う表現になるところも魅力的だと思います。
─ 1つの作品を終えて、もう少しやってみたいと思う演技がうまれたのではないですか。
初放送のとき、僕のシーンが編集されて出てこなかったんです。
ソン・ジュンギ兄さんが‘オニュ、すごくがっかりしたよね。僕も最初はそうだった。でも、これからはちょっと前向きな気持ちで楽しんで見よう。’というメッセージで元気付けてくれて、すごく力になりました。
その後も、ジュンギ兄さんと話をしてたんですが、違う作品でまた他の配役でやったらどうなるかな、すごく面白い経験になるんじゃなかな、という考えに自然となりました。
とにかく始まったばかりだから、何でもやってみたいです。
─ 大人になったというか、思慮深くなったと感じる瞬間はありますか?
いいえ。僕は思慮深くありません。
その方が良いみたいです。
─ SHINeeでは最年長ということもあってか、落ち着いた印象を受けるのですが…。
うーむ、全くそんなことないです…。
まだ僕をあまり見ていないからそう感じたんじゃないですかね?ハハ。
僕は弟たち(メンバー)にいたずらもたくさんするし、すごくめんどくさがられます。
─ 周りの意見も聞くほうですか?
正しいと思ったら聞きます。
本当に心から僕とその人のことを考えて言ってくれる言葉は。
そうじゃなければ一線をひくようにしてます。
─ 芸能活動をかなり長い間してきましたが、もうそういう区別ができるようになりましたか?
相変わらず簡単ではありません。
人によって性格が違うし、表現方法も違うので。
誰かのある部分がいつまでも受け入れられないこともあります。
理解するというより、ただ認めるんです。
いつからか、そうするようになったみたいです。
僕、今年28歳なんです。
でももし歌と演技がすごく上手な14歳の子が急に出てきたら、その子に勝てないかもしれません。
そういう世界に属しているから。
なので、僕がどんな地位に上がったかということより、そのときそのとき出来ること、したいことを考えます。
素朴なものもとっても好きです。
昔、大体3~4年ぐらい地下鉄に乗って移動してたんですが、たまに1人で食べに出かけたりする習慣もそのときできたものです。
最近もそうですよ。
今日はちょっと余裕があるなと思えば地下鉄に乗って行くし、時間に追われてて厳しいかなと思えば走るし、車に乗って行くこともあるし。
─ 柔軟ですね。
柔軟なフリをしてるんです。
─ 絶対に妥協できないこともありますか?
ありますよ。
話を始めた途端、やたら反論から始まる人。
最初からこちらの考えを話すこともできないように塞がれてしまう場合です。
─ みんなが止めるけど面白そうに見えることと、面白いかはわからないけど安全なこと、主にどちらを選びますか?
そのときによって違います。
普通は面白いことを探す方です。
普段、友だちといると急に“チェジュ島行こうか”なんていう風になることもあります。
そんな記憶が多いので、結局面白いことを探しに行くということじゃないですか。
でも、仕事となったらきっと後者を選ぶでしょう。
色々な状況の中で後者を選ぶことになっても、それを面白くすればいいんじゃないかなと思っています。
─ 意識的にやろうとしてできますか?
始めてみないとわからないじゃないですか。
仕事をするときはいつもその中から僕が1番面白い思えることを探して、そうじゃなければ楽しくなるようにします。
バラエティーに出演したときもそうでした。
ただ僕は思いついたときにギャグを言ったりします。
そういうことをしながら、自分で笑ってます。
そうしていると、MCの方たちがもう1度やらせてくれたりします。
─ 昨年の東京ドーム公演が、ちょうど1年前の今日だそうです。
声帯手術後、回復して久しぶりに立った大きいステージだからか、ソロ曲を歌いながら涙を流していましたが、どんな気持ちだったのですか?
ステージの大小は関係なく、そのときはすごく気持ちが辛かったんです。
実はその直前まで、1,2小節を歌い切ることがあまりできなかったんです。
声が出せないので文字で会話をして、スマホでギャグを打ったりしてたので、すごくもどかしかったです。
ギャグのタイミングも合わなくて、メンバーたちがさっきしていた話をやっとの思いで書いて1人だけに見せたりしてました。ハハ。
─ そのときもギャグの本能は諦めなかったんですね。
特にミノにはたくさんしてましたよ。ハハ。
とにかくあのときは、ほんとに色んな感情があったと思います。
─ 今も日本ツアー中ですが、ツアーを続けながら感じる変化はありますか?
やはり経験が積まれていくので、ここではどうするべきかというノウハウが生まれて、より楽になりました。
いつも変わらないのは、僕がまず楽しもうと努力する点です。
自分が楽しんでいなかったら、見てる方たちもそのまま感じると思います。
僕は自己満足が本当に重要な人なんです。
─ もう喉は良くなりましたか?
良くはなったんですが、ちょっとまだ体系的に管理しなければならないみたいです。
なので最近、僕だけの作業室を調べています。
歌を歌ったり、大きい音で音楽をかけたり、台本の練習をしたり、僕が1人でいられる小さな空間が必要です。
誰かに見せるのがあまり好きじゃないという話をしたじゃないですか。
この前放送された嗚咽するシーンも、台本を見ながら練習しているとちょうど誰かが来て、台本を閉じたりという感じでした。
それでより空間を見つけなきゃいけないなと思うようになりました。
もう1つとても小さな希望のようなものがあるとしたら、本当に心を開ける古くからの友だちと、歌がうまいかは関係なく、歌を1曲歌ってみたいです。
ピアノも思うままに弾いて、一緒にレコーディングしながら。
─ あ、キリンとチキンが好きという情報提供がたくさんありました。
このリストに付け加えるものは他に何かありますか?
チキンは本当によく食べますし、キリンはかっこいいので好きです。
すごく強いじゃないですか。
うむ、あまりに広範囲で思い浮かぶことがないんですけど、1度何かにさされるようにハマるときがあります。
何年か前には突然、人体解剖学の本を買ってみたこともあるぐらいです。
高校生のときはルシード・ドリームにハマってました。
その頃、いつも時間が足りないなという気持ちがあったんですが、ルシード・ドリームは理論的には夢で飛んだり勉強をしたり、そんなことができるんです。
結局成功はしませんでしたけど。ハハ。
─ まだソロアルバムに関して具体的な計画は出てないようですが、こういうことをしなければというような考えをしたことはありませんか?
いいえ、全くありません。
出るときに考えようと思います。
なぜなら、僕が今好きな歌をそのときも好きかどうかわからないので。
アルバムが出る頃に僕が1番良いと思える音楽をするのが良いと思うんです。
─ いま、好きでたくさん聞いている曲はなんですか?
最近は歌をあまり聞きません。
たまにクラシックを探して聞いてみたりするぐらいですかね。
小さいとき母がいつもカセットテープでかけてくれたクラシックがあるんですけど、それが思い浮かびます。
あ、僕、あまり泣くほうではないんですが、音楽映画を観るとちょっと泣くこともあります。
なんだか胸がいっぱいになるんですよ。
公演に行くのも好きです。
胸が鳴るようなそういう感覚を感じるために…。
だから余計に自分だけの作業室がほしいのかもしれません。
─バラエティーにMC、ミュージカル、コメディ、さらに演技まで多様なジャンルを経験してきましたが、その中でもっと集中してやってみたいことはありますか?
自分の中でじっくり気持ちを整理して準備する時間さえあれば、なんでもやってみたいです。
あぁ、本当にあれこれたくさんしてきましたね。
でも早期終了した経験もあるので…
今回の<太陽の末裔>は、事前制作だったので安心しました。ハハ。
僕の気持ちとしては、15話が終わって、1か月待ってから16話を出したかったんですが。
それじゃ大騒ぎになるでしょう?
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